▲全景
▲ホキ石仏第二群
阿弥陀三尊像は平安後期の作。高さ3m85cmの阿弥陀如来像は堂々とした風格があり、涼し気な表情にも彫技の冴えが偲ばれる傑作です。
▲ホキ石仏第一群
第2龕には、ホキ石仏第一群の中心的な存在である中尊の阿弥陀如来が鎮座。眉や目、髭などは墨で描かれ、平安後期の作といわれています。
▲山王山石仏
その小ぢんまりした風情から「隠れ地蔵」とも呼ばれ、画家の故安井曾太郎氏が絶賛したといわれる仏像です。
▲古園石仏群
臼杵石仏の代表的な大日如来像を中心とする石仏群。中尊の大日如来は、高く秀でた眉と切れ長の目に朱を施した口元が端正で気品にあふれています。
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磨崖仏では全国初の国宝に指定された石仏群
平安時代から鎌倉時代にかけて彫られたといわれる臼杵石仏。昭和27年に国の特別史跡、昭和37年に国の重要文化財の指定を受けています。平成6年3月には長い歳月をかけて行われた保存修復工事が完了し、臼杵石仏の象徴ともなっている古園石仏の大日如来像の頭部も、本来通りの胴と一体の姿に復元。それを受け、平成7年には4群59体が国宝に指定されました。国宝の指定は磨崖仏では全国初であり、彫刻では九州初のものです。臼杵の石仏群は、木彫とみまがうほどの精密な彫刻技術といい、磨崖仏の数といい、他に類をみない文化遺産として国内だけでなく海外でも高い評価を得ています。宗教的な背景としては、密教や修験道とのかかわりが深いといわれる臼杵石仏。山深い杉林の中にたたずむ石仏たちは、千年の風雪に耐えながら今もなお里人たちの信仰の証となっているのです。
4群に分かれた60余体の磨崖仏
ホキ石仏第二群
石仏巡りの最初に出会うのが、「阿弥陀三尊像」と「九品(くぼん)の阿弥陀像」の2つの龕(がん=仏像を納める厨子)から成る石仏群。瓢形に線刻された背景の前に座す「阿弥陀三尊像」は、丸彫りという技術を駆使して彫られた臼杵石仏の中でも最も優れた石仏のひとつです。9体の阿弥陀如来像が刻まれた「九品の阿弥陀像」は鎌倉時代の作で、中央にある一尊だけが裳懸座に座し、唇や衣には朱が施されています。
ホキ石仏第一群(堂ヶ迫)
さらに奥へ進むと、磨崖仏が20数体並ぶホキ石仏第一群へと連なります。ここは4つの龕に分かれ、第1龕は「釈迦如来像を中心とする如来三尊像」、第2龕は「阿弥陀如来坐像をはじめとする如来三尊像」、第3龕は「金剛界大日如来を中央に釈迦如来と阿弥陀如来が配された如来三尊像」、第4龕は「地蔵十王像」が刻まれています。
山王山石仏
樹木に囲まれた小さな石仏群。階段を登ると、丈六の如来像を中心として左右にも如来像が刻まれています。平安後期の作といわれ、仏像の顔はいずれも輪郭が丸い上に目鼻が小さく、まるで童子のような面もちが特徴です。
古園石仏群
臼杵石仏の圧巻ともいうべき一群が最後に対面する古園石仏群。大日如来を中心に曼陀羅を構成しています。「古園十三仏」や「大日山石仏」ともいわれ、中尊の大日如来像は、わが国の石仏の中でも最高傑作と絶賛される仏像です。大日如来像の顔が落ちるなど最も破損が著しい石仏群でしたが、彫刻された平安後期の姿のままに修復されました。
■所在地 臼杵市海添
■観覧時間 日の出〜日没
(12月〜3月は8時30分〜17時)
■休館日 なし
■入館料 大人530円、小人260円
■所在地 臼杵市深田
■お問合わせ 0972-65-3300
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