★二王座歴史の道


▲お休処旧真光寺
お休処として開放されている旧真光寺。セルフサービスで椎茸茶が味わえ、ギャラリーでは写真や手芸などの観賞も楽しめます。
●営業時間/8時30分〜17時
●休み/なし


▲稲葉秀道屋敷跡
お休処として旧真光寺とともに無料で開放されている稲葉秀道屋敷跡。濃緑色ののれんが目印です。


▲甚吉坂
田町から続く細い坂道「甚吉坂」。天正14年、薩摩の島津氏が臼杵城下に侵入したとき、大友家臣だった吉岡甚吉がこの坂で奮戦し、手柄を立てたことから名付けられました。明治10年の西南戦争でも、薩摩軍と臼杵隊が激を繰り広げた場所です。


▲直良信夫博士展示館
「甚吉坂」にある直良信夫博士展示館。直良博士は明石原人の発見者として知られる人物で、その生涯を垣間見ることができます。隣の土産品店「直良工房」では、臼杵の特産品などを買って帰りましょう。
●電話/0972-63-1615(直良工房)
●営業時間/9時30分〜16時30分
●休み/なし

歴史の風に吹かれながら、趣のある石畳を歩く
 「町八町」と呼ばれる田町、畳屋町、横町、本町、新町、浜町、掛町、唐人町を中心に、長い歴史を思わせる臼杵の町並み。かつて関ヶ原の戦いによって転封された稲葉家に従って、岐阜から臼杵へやってきた商人たちが造り酒屋や商店を構え、今も当時の佇まいをそこかしこにとどめています。
 その「町八町」から、さらに南へ入った通りが「二王座歴史の道」。漆喰の壁と重厚感のある瓦屋根の武家屋敷、古い蔵やモダンな洋館などが立ち並び、江戸時代から今に至るまでの長い歴史を今にとどめています。辻から入ると上級の武家屋敷が連なり、田町から登るとたくさんのお寺が並び、ゆっくり散策するのに最適です。
 途中に、無料のお休処が2ヵ所あるのでぜひ立ち寄ってみましょう。ひとつは「お休処 旧真光寺」。ここは浄土宗本願寺派の支院として、享保元年(1716)に臼杵藩士だった稲川小右衛門の長男・宗適によって開基されたお寺です。周辺は「切り通し」と呼ばれ、臼杵の町並みを代表する風情ある景観が広がります。もうひとつのお休処は、辻寄りにある稲葉秀道屋敷跡。その他にも、懐かしさが感じられる甘味処や喫茶室、みやげ品店など趣のあるお店が通りに点在しています。
 二王座は、阿蘇の火山灰が固まってできた凝灰岩の丘。この通りのシンボルになっている石畳も、近隣から切り出された凝灰岩を使っています。雨が降ると濡れた石が黒く輝き、一段と風情が増す「二王座歴史の道」。時間が許せば、ランタンがほのかに照る夜の二王座を散策するのも素敵です。

春日局と二王座
 二王座歴史の道筋に旧斎藤家があります。斎藤家は、美濃の斎藤道三の流れをくむ家柄で、関ヶ原の戦いのあと稲葉貞道が臼杵に転封された頃より、この地に居を構えました。二代目藩主・典道は、夫と離別して2人の子供を連れ不遇の身だったお福(のちの春日局)を引き取り、二王座に住まわせたことがあったといわれています。お福の母・阿牟(あむ)は一鉄の姪で、父・利三は美濃の斎藤一族でした。一鉄の家臣でもあった利三は、のちに明智光秀の重臣となった人物です。お福がかつて暮らしたといわれるこの屋敷を、今でも局屋敷と呼ぶ人もいます。