▲硯箱
中津藩より 子姫が稲葉家13代幾通にお嫁入りしたのは天保5年(1834)のこと。当時の婚礼調度品は蒔絵の意匠を凝らした豪華なものでした。臼杵城の別名・亀城をデザインした亀甲に、奥平藩の家紋である軍配紋などを取り合わせた金蒔絵の硯箱。
▲臼杵石仏に隣接し、田園風景画広がる静かな場所にあります。
▲1階は大名家の調度品を展示、2階は所蔵絵画や18世紀のマイセン窯のシノワズリー柿右衛門写しの名品や宮廷人たちのフィギュリン(陶器彫像)などを企画展示しています。
|
豪華絢爛なお姫様の嫁入り道具
臼杵石仏の隣にある「ヤマコ臼杵美術博物館」は、江戸時代末期に、中津藩から臼杵の稲葉藩にお嫁入りしたお姫様の婚礼調度品一式を展示しています。展示品は450点あり、県の有形文化財。これだけまとまったお姫様の嫁入り道具は珍しく、常設展示しているのはおそらく全国でもここだけではないかといわれています。
当時のお姫様の身だしなみの様子が伺えるのが、お歯黒用の小物や化粧道具。お化粧道具を納める大小の手箱や鏡箱の付いた鏡、紅筆、眉はき、三ツ櫛(解き櫛、撫で櫛、梳櫛)と呼ばれる櫛の3種セットなど、若い女性ならではの品々が並んでいます。
もうひとつ女性として興味深いのは茶道具や香道具。野点用の銀製の茶窯や香炉などに雅びやかな時代の趣が感じられます。また野外で遊ぶ時に食べ物を詰めるための行器(ほかい)という大きな箱や食籠などもあり、家紋の入った漆器は、いずれも黒をベースにした落ち着きのある上品なものばかりです。
なかでも圧巻は、貝合わせという優雅な遊戯具。360の所蔵品のうち、常時260枚を展示しています。色とりどりの美しい絵は見ているだけでため息もの。一見すると同じような絵に見えますが、1組ごとに違う源氏絵が描かれているのでじっくり観察してみましょう。特に貝合わせはこれだけの規模は全国でも珍しく、県外からのお客様でいつも賑わっています。
▲貝合わせ
調度品の中でも最も格が高い貝合わせ。貝合わせには和歌を書いたものもありますが、この貝合わせは源氏絵が描かれています。遊び方は、トランプの神経衰弱の要領で絵を合わせるというもの。貝合わせは雌貝に合う雄貝を探し当てる遊びで、ふたつと同じものがないため、”他の人には合わない”という考えから、女性は二夫には交わらないという意味もあります。
■所在地
|
臼杵市深田793
|
■見学時間
|
9〜17時
|
■休 み
|
なし
|
■入 館 料
|
大人400円・小中学生200円
|
■お問合せ先
|
TEL0972-65-3080
|
|