日本料理 喜楽庵(きらくあん)★

本膳料理の最初に出される「なます」。昔は醤油が普及していなかったらしく、かわりに室町末期からある調味料「いり酒」を使用していた。ここでは今だに「いり酒」を使用している。

 

本膳料理の中の一つ「大平料理」。この下には、そうめんが敷詰めてあり、かなりのボリューム。

 

老舗と呼ぶにふさわしい風格の玄関。
伝統と歴史を感じる。

前回紹介した喜楽庵。ここで頂ける本膳料理は奥が深い!と、いうことで、さらに掘り下げて紹介。その魅力を堪能あれ!
ここ、喜楽庵最大の魅力、本膳料理。この料理、決してあなどってはいけない。出された料理の一つ一つに食べかたと順番があり、その形式に乗っ取って頂かなければならない。例えば「なますに一箸つけたら、以後はどの菜にはしをつけてもよい。但し、菜から菜へ箸をつけぬこと。必ずお菜と、御飯を交互に食べること」とか「味噌汁は少し残しておいて、御飯の最後の残り少量を味噌汁の方へ入れて食べ終わる」といった決まりごとが数十個あり、そうやって食べてこその本膳料理なのだ。
昔、他県から本膳料理を食べにここへやってきた一行があった。しかしこの一行、全くルールを無視して食べ続けてしまったために、先代の逆鱗に触れたとか、、、。それ以来本膳料理を出すときには食べかたを記したプリント用紙が配られるようになった。本膳料理といえば料理人の腕の見せ所、一品一品精根込めて造り上げる。「一生懸命造ったものだから、それなりに覚悟してもらわないと」と女将さん。成る程、格式の高い本膳料理だけに、生半可な気持ちは禁物だ。料金の方は完全予約制でお一人3万円。各種祝い事にはもってこいで、現臼杵市長の結婚式の時にも出されたのだそう。一式注文しなくてもお店の人が主だった料理だけをみつくろったものもあり、それだと1万円位〜。
また、ここ喜楽庵ではジャズの演奏会などの催しも行っていて、前回の演奏会には110名の方が参加、食事に本膳料理を出し、全員でルールに乗っ取って食したのだそう。10月にはチェロの演奏会を予定しているとの事なので興味のある方はぜひ参加してみては?
季節の旬を使った郷土料理や豊後水道捕れたて魚介類などもまた格別のここ。日本料理の真髄にふれてみよう。


喜楽庵

大分県臼杵市城南9組

TEL0972-63-8855