師走の足音が近づいてきた今日この頃。この時季になると、忘年会やパーティーなど上司や目上の方とのおつき合いも活発になります。
仲間うちだけの飲み会ならラフなマナーでもかまいませんが、会席膳を囲む会合では和食のマナーやルールを知っていると気分が楽になるだけでなく、株も上がるというものです。
箸ひとつをとってみても、美しいお箸の持ち方があります。最初はぎくしゃくするかもしれませんが、自分のスタイルになってくるとどこに出ても恥ずかしい思いをしなくてすみます。
この機会に、ベーシックな和食のマナーやルールを身に付けておきましょう。
お箸の作法
【その1.お箸の持ち方】
- 箸の中央よりやや上のあたりを軽く握るように持つ。
- 左手で軽く受けて、右手を右端の方に滑らせる。
- 右手を折り返すように下から受け、持ち直す。
【その2. 器を持って食べるときのお箸の取り方】
- 器を取って左手にのせたまま、右手で箸を上から取る
- 器を持った左手の指と指の間にいったん箸を預け、右手をずらして箸を下から受けるように持ち直す。取り皿なども同様に。
【その3. 割り箸の割り方】
割り箸を割るときは、お膳の上を避けて膝の上で上下に割る。
左右に割ったり、箸先をこするのはNG。ささくれは指で取るように。
箸づかいのタブー7箇条
(1)探り箸 器の中の物をかき回して探ること。
(2)握り箸 箸を握ったままの手で器を持つこと。
(3)ねぶり箸 箸先をねぶること。
(4)迷い箸 箸を持ったまま食べるものを迷うこと。
(5)渡し箸 茶碗の上に箸を置いて箸を休めること。
(6)刺し箸 箸で食べ物を突き刺して取ること。
(7)寄せ箸 料理の入った器に箸を差し込んで引き寄せること。
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和食の上手な食べ方
■刺身
- 箸で刺身の上に好みの量の山葵をのせる。
- 醤油の入った小皿を左手に持つ。醤油に溶かしてもいいですが、
山葵を直接刺身につけたほうが風味があっておいしい。
- 醤油が垂れないように注意しながら、
山葵が醤油につかないようにしていただく。
■魚の焼き物
- 頭の部分を懐紙(ない場合は左手で軽くおさえる)などで押さえて動かないようにし、背の方からひと口分ずつ身をほぐして食べる。
- 半身を食べ終わったら、尾の方から骨をはずしていき、頭ごと残りの半骨からはがす。ひっくり返したり、骨の間から身を食べるのはNG。
- はずした骨を向こう側に寄せ、残りの半身をいただく。懐紙があれば、使った懐紙を骨にかぶせておく。
■蓋つきの椀もの料理
- 蓋は左手を椀に添えて右手で取る。
- 取り上げた蓋は仰向けにして両手で 椀の横に置く。膳がある場合は、お膳の外に。2つあるときはタテに並べて置く。
- 椀は両手で取り上げて、左手に持ってから箸を取っていただく。
■カボスの搾り方
身の部分を斜めうえに向け、汁が周りに飛び散らないように手で覆って絞る。
■座席の着き方の順序
席順の作法には上座と下座があり、入口から遠いところが上座、近いところが下座。自分の立場を考えて座ると、その場の雰囲気も和やかに。
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