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胡椒のお話
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食材の臭みを消し、同時にさわやかな香味とピリッとした辛みをもつ胡椒。お肉や魚料理、サラダなどあらゆる洋風料理に欠かせないスパイスのひとつです。
胡椒という呼び名は、中国からの伝来。胡とは漢時代のシルクロードの西方(つまり外国)の意味で、胡から伝えられた辛いものの総称です。
胡椒はローマ・ギリシャ時代には貴重品以上の価値があり、金と同じ価格で取り引きされていました。
中世のヨーロッパでは、地代や税金、結婚の持参金代わりに用いられ、ペパーコーン・レント(名目家賃)という英語が生まれたほどです。
胡椒はインド原産のつる性多年生草。
実は熟すにしたがってエメラルド・グリーンから赤に変化します。
みなさんもご存知のように、胡椒には白コショウと黒コショウの2種類があります。黒コショウは実が熟さないうちに摘み取ってしわがよって黒くなるまで乾燥したもので、完熟した赤い実を水につけて外皮を取ってから内側の色の 薄い種子(コーン)を乾燥したものが白コショウです。
白コショウの方が味はマイルドで魚料理や色の白い料理に合い、黒コショウは辛みや香りが強いため、肉料理によく合います。より新鮮でさわやかな香りを楽しむためには、粒胡椒をペパーミルでひいて使うといいでしょう。
最近、フレンチのレストランでみかけるピンクペパー。これは色、形など完熟した胡椒の実に似ていますが、実はコショウ科ではありません。南米原産のウルシ科のコショウボクの実で、色がきれいなことからヌーベルキュイジーヌに多用されている香辛料なのです。
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〈胡椒の木〉
ベトナムでは フランス植民地時代にコーヒーと同じ様に大規模プランテーションが大農園会社グループで形成されました。胡椒の木は弦状で高さは2m以上あります。
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